失業率が高止まる可能性がある?

2011.12.02

厳密な証拠があるわけではないが、厚労省も政府の一員である以上、これまでも景気情勢や企業体力に合わせて、企業の労働法違反を取り締まってきた観がある。バブル経済崩壊後の長期不況期に「積もりに積もったサービス残業」を取り締まりだしたのも、景気や企業体力が回復した後である。違法な派遣に対する取り締まりの強化も景気回復後のことである。しかし、今後5年間程度は、金融危機で企業が不安定だという理由だけで、労働法違反に対する取り締まりが弱くなるとは考えにくい。

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もし労働基準監督署の指導が弱くなれば、企業にばかり配慮しているという世論が強くなり、政府が批判の矢面に立たされるからだ。そのような状況を考えると、企業はますます非正社員の採用を手控える可能性が高くなると考えられる。企業が非正社員を抱えるリスクが高くなるからである。その結果、失業率が高止まる可能性が高い。バブル経済崩壊後に失業率が改善した大きな要因の一つは非正社員制度にある。非正社員として雇われる人が増えた結果、失業率が改善されてきたにすぎないのだ。非正社員が雇いにくくなれば、企業は雇用を控えるという選択をするのは明らかだ。その一方で、派遣労働者などの非正社員が生活保護に安易に依存しようとすると、世間はものすごいバッシングを浴びせる可能性がある。人口減少・高失業率社会では、雇用のミスマッチが生じているだけで、働く場所はいくらでもある。大企業の派遣切りで職を失ったのであれば、農業でも介護でもタクシーの運転手でもやればいいという意見は必ず出てくる。確かに、金融危機直後の現時点のように、日本全体が世界同時不況の中で一種の興奮状態にある時には、非正社員の雇用保険や職業訓練などに積極的賛成を示すのかもしれないが、少し時間が経過すると、異なった対応を示すようになるだろう。また、増税を伴うような措置などにまで踏み込んだセーフティーネット構築にまで至ると、ものすごい反発が生じると予測される。




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